韓国のWikiのお話

Wikiwikiといえば、韓国ではほとんどの人がウィキペディアを思い浮かべるだろう。だが、それは「一般人」の視点であって、私のような一般的ではない人は、「ナムウィキ」を真っ先に思い浮かべるはず。

昔、エンゼルハイロというサイトがあった。ゲームのコミュニティだったそうだ。そこで、ゲームの情報を集めた「エンゼルハイロウィキ」、略して「エンハウィキ」が誕生した。このウィキは、後で普通の情報、たとえば学問とか、ネット用語とかも扱うようになって、名が「リグベダウィキ」になった。簡単にいうと、今のニコニコ大百科のようなものだ。これがどんどん大きくなっていき、2015年には27万の文書を誇る、すごい規模のサイトとなった。韓国のWikiwikiのなかでは3位の規模だったらしい。

なのにそれが、管理者のミスといろんなものが重なって、主に著作権の問題で、完全に滅んでしまった。この問題は結構重大なものだったので、利用者の多くが自分が書いたページを削除したりする大混乱が起きた。そしてここで、過去のリグベダウィキの代替物としてまた多くのウィキが誕生した。代表的に、「リブレウィキ」と「ナムウィキ」がある。リブレウィキは著作権の問題を完全解決するため、ゼロから始める道を選んだ。ナムウィキは、リグベダのデータベースをフォークした。ナムウィキは昔のリグベダの情報がほとんど残ってあったので、たくさんの人たちがそこへ移住した。そして現在に至る。

ナムウィキは恐ろしいサイトだ。どんな情報だって、それが人気があるなら大抵のものは書かれている。まったく別のコミュニティであった事件が書かれる事だってたくさんある。マイナーなものなら、日本のものなのに日本のウェブより詳しい事だってある。最初は外国のゲームとアニメの情報が多かったが、今となっては何でもありだ。何かよく分からないものをググったとしよう。おそらく一番上には、ウィキペディアかナムウィキがある。しかも、大抵の場合、ウィキペディアより詳しい。これは韓国のウィキペディアの編集ルールが厳しいからだ。ナムウィキは情報の信頼性を犠牲にし、量を手に入れた。だがものすごい人数が利用しているので、最新の情報がいつも流れてくる。私にとってそれが一番分かるのは、アイマス関係のものだ。昨日ラジオででた話が、今日の朝ごろには書かれている。ライブがあった日には、ライブであった事件などが数時間で書かれたりする。恐ろしい。

なんか長くなったけど、要するに、「韓国にはニコニコ大百科をすっごく膨張させたような、くそでっかいWikiがある」

URL：https://namu.wiki/w/

2016/10/29　追記

なんか「ナムウィキ」というキーワードで入ってくる方が多いので、ちょっとだけ書き加えておこう。

今のナムウィキは利用者数がもっと多くなって、これはもうすごいことになっている。それにつれて内容は増え、信頼度はもっと落ちてしまっている。でも韓国に関してのいろんな情報が整理されているのは確かなので、参考としては使えるだろう。しかし盲信はしないでほしい。必ずもっとググってみること。特に社会問題、学文、敏感な事案についてはね。